konomachini_2

  徳島県上勝町は、標高差の大きい山奥にある人口約2,200人、65歳以上がその約半数を占めるどこにでもある農村だ。その農村で、約180戸の農家が山にある葉や草花を出荷して年商2億5千万円を売り上げているのが、彩(いろどり)事業。

  この事業は、町の新規事業を模索していた横石さんが料理に添える「ツマモノ」の需要に気づき、町の山と高齢者を活かす事業として将来性を確信したことに始まる。

  1986年に年商120万円で始まった事業は、現在では、必要とされるものを、必要なときに、必要なだけ供給できる事業者として市場の信頼もあつく、強い競争力のある町の主力産業となっている。出荷者の中心は70歳代の高齢者であるが、FAXやパソコンをフル活用し、市場動向や自分の出荷額を自ら確認し、もっと成果を上げるには何をすべきかを考えている。

  この「出荷者が自分で考える習慣が身についていること」こそが彩事業の強みだと、横石さんは誇らしげに断言する。この強みは、横石さんが「笑顔が消えたときにつまずきが訪れる」と気付き、人間性と事業性を両立するマネジメントの追求してきた結果、生まれてきたものだ。

  全国各地にシネマコンプレックスが台頭する中、札幌の商店街の一角に市民による共同出資の映画館、シアターキノがある。

  代表の中島さんは映画好きが高じて若い頃から仲間と経営していた酒場の二階に6畳の映画上映スペースを設け、さらにその後は会員制映画館を運営してきた。バブル崩壊後、急速にミニシアターが全国から姿を消してゆく中で、中島さんは自らミニシアターを作ることを決意した。

  しかし手元にある資金だけでは映画館は作れない。そこで映画館を会社化して市民から広く出資を受ける市民共同出資型映画館というモデルを思いつく。そして1992年、1340万円の出資金を集め、日本一小さな映画館・シアターキノをオープン。日本一小さな規模を逆手に、大規模映画館にはできない顧客サービスにより支持を得て、98年にはさらに6600万円を増資して2スクリーンを持つ現在のシアターキノに進化した。

「(シアターキノの設立前に全国のミニシアターの館長を訪ねると)しんどいぞ、やめておけと言うんだけど、なんか皆楽しそうなんですよね」と言う中島さんの楽しそうな笑顔は忘れられない。

  高知県中土佐町の風工房では、イチゴ農家の主婦8名が規格外として廃棄していた年間2400キロ(農家一戸あたり300キロ)のイチゴを使って自分たちで作ったケーキを自分たちで販売している。農家直送の朝摘み生イチゴを使ったケーキは県内外から評判を集め、現在では地域住民だけでなく、観光客や高知市内からはるばる1時間かけてケーキを買いに来る客も多い人気の店となり、開店から6年間赤字になることなく年平均7,300万円を売り上げる。店には、主婦や若者のグループ、家族づれ、観光客、ビジネスマンなどが立ち寄り、自宅や訪問先、仕事先へのおみやげとして購入したり、2階のカフェでケーキとお茶を楽しんだりしている。

  ケーキ作りも店舗経営も未経験の農家の主婦たちがここまでの店をつくり上げたのは、「店をどうしても続けたい・・・」という想いを大切に、仕事も家庭も両立させるために自分たちで創り出した経営スタイルがあるからだ。

ETIC